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バードックBurdock
ヨーロッパ原産のバードックはわが国では食用に供されるため野菜(根菜)として認識されていますが、欧米ではもっぱらメディカルハーブとして古くから用いられてきました。欧米では主に湿疹や腫れもの、ニキビ、蕁麻疹などの皮膚病や痛風などの代謝性疾患に血液浄化を意図して内用や外用で用いられ、利尿や緩下、利胆の目的にも使われています。バードックの根にはイヌリンやリグナン系の苦味配糖体アルクティインを含むため、トニック効果を発揮します。近年の研究では抗変異原性や細胞増殖抑制作用が報告されていますが、欧米では古くから悪液質の治療や植物腫瘍学の分野で処方されています。また、血糖値を下げる作用についても報告があり、フランスなどの伝統的な使用法を裏づける結果になっています。欧米ではバードックとネトル(Urtica dioica)とダンディライオン(Taraxacum officinale)の3種で自家製ビールを作る習慣があり、ドイツでは根の抽出液をローションにして頭部にマッサージし、育毛の目的で用いる方法が知られています。