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エフェドラEphedra
エフェドラはバラモン教の聖典や神農本草経に収載され、古くから喘息や関節炎に用いられてきました。現在でも漢方の要薬として知られ葛根湯や小青竜湯に処方されています。エフェドラの有効成分であるアルカロイドのエフェドリンは1887年にわが国の長井長義が結晶を単離し、構造を決定しました。エフェドリンの生理活性は交感神経興奮作用や気管支拡張作用、鎮咳作用、発汗作用、抗炎症作用など多岐にわたります。欧米の植物療法では気管支炎や喘息、百日咳に安息香との複合チンキ剤やタイムとの複合シロップ剤として用いられます。なお、エフェドリンは体内の脂肪の代謝を亢進し、食欲を低下させることから体重減少効果が報告されています。わが国では麻黄は医薬品として厳しく管理されていますが米国では比較的、容易に入手できるため、「やせ薬」として、また運動能力の向上を目的に安易な使用が広がり、心臓発作や不整脈などの副作用による被害が多発して社会問題化しています。