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ヤローYarrow
ヤローの学名のアキレアはギリシア神話で戦いで受けた傷をこのハーブで癒したとされるアキレスに由来します。北米の先住民のチェロキー族はヤローの浸剤や煎剤を風邪や胃腸の症状に用いた歴史が残されています。このハーブを特徴づける成分はアズレン前駆物質を含む精油と苦味質、それにアピゲニンなどのフラボノイド類と言えるでしょう。ドイツのコミッションEでは鎮痙、利胆、収れん、抗菌作用を、英国ハーブ薬局方では発汗、消炎、止血、通経作用が記載されており、消炎、鎮痙作用は主にフラボノイド類によるものと考えられます。コミッションEでは内用で胃・腸・胆系の機能障害による食欲不振や消化不良に対するトニックとして、また外用では生理痛など心身相関的な骨盤周囲の痙れんや自律神経系の緊張状態に坐浴(腰湯)での適用を認めています。一方、英国ハーブ薬局方では適応症として内用では風邪や胃腸の不調に、また外用ではヤローの消炎作用と抗菌作用を生かして治りにくい傷や皮膚の炎症への局所的な使用をあげています。