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ミルラMyrrh

 ソマリアやエチオピアなどで生育するミルラは防腐と保存の目的で王の遺体と共に埋葬された歴史をもちます。ちなみにミイラの語源はこのミルラであるとされています。またキリスト誕生の際に、東方の三賢者が黄金と共に同じカンラン科のフランキンセンス(乳香 Boswellia carterii)とミルラ(没薬)を携えて贈り物としてささげたとされ、これが現在のクリスマスプレゼントの起源になっています。ミルラはミルラの樹の皮層の分泌物が空気中で乾燥したゴム樹脂です。そのため茶剤で用いられることはなく、通常は1対5の割合で90%エチルアルコールに冷浸して製したチンキ剤として用います。ミルラの特徴は収れん性と抗菌・消炎性にあり、古くから歯科領域や口腔粘膜のトラブルに用いられてきました。ミルラ単独で用いる場合と共にセージなど精油を含むハーブやタンニン含有ハーブと組み合わせた混合製剤が含嗽剤や歯科衛生剤として製品化されています。わが国でも薬用歯みがきの成分として繁用されています。

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