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サイリウムPsyllium
サイリウムの種子とハスク(種皮)は長い間、ヨーロッパや米国で膨潤性緩下剤として用いられてきました。地中海原産のP.psylliumは南フランスやスペインで栽培され、種子の色が黒いためブラックサイリウムと呼ばれ、一方、地中海、北アフリカ、西アジア原産のP.ovataはインドやパキスタンで栽培され、ブロンドサイリウムと呼ばれます。サイリウムは粘液質を10~30%と豊富に含み、水を加えると吸収、膨潤して容積が30倍にも増え、ゼリー状の塊となります。この塊が腸のぜん動運動を刺激して便秘を改善するのです。ドイツでは慢性の便秘や過敏性腸症候群(IBS)の改善に、また痔疾や排便時の苦痛の軽減、妊婦の便秘予防に用いられています。サイリウムは緩下作用の他に生活習慣病の予防となるさまざまな効用が確認されており、総コレステロールやLDLコレステロール、トリグリセリドなどの値が減少し、HDLコレステロールが有意に増大したという報告があります。また腸管からの糖分の吸収を抑え、血糖値を低下させる働きも確認されています。