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ピゲウムPygeum
アフリカ大陸に生育するピゲウムの樹皮は古くから現地の伝統的な治療師によって各種の炎症や腎臓病、マラリヤなどの治療に用いられてきました。現在ではピゲウムの樹皮はソウパルメット(Serenoa repens)の果実やネトル(Urtica dioica)の根と同じようにヨーロッパの植物療法で良性の前立腺肥大(BPH)に用いられます。ピゲウムの作用のしくみについては完全には明らかではありませんが、フィトステロールやトリテルペン、有機酸などの成分が互いに協働して消炎作用やコレステロール低下作用、それにプロスタグランジン(PG)の生合成阻害作用をもたらしているようです。またピゲウムは前立腺の分泌を促し、生殖器の機能を高めるという報告もあります。ピゲウムと同じようにBPHに用いるサボテン科のメディカルハーブにメキシコ原産のノパル(Nopal 学名Opuntia ficus-indica 別名Prickly pear ウチワサボテン)があります。ノパルはアステカ族が治療に用いた記録があり、インシュリンの分泌を促し、血糖値を下げる作用も報告されています。